Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

ミスマッチ

ある意味、納得しながら、

そして、どこかで反発しながら読んだ。

Yahoo!のトピックスに掲載された東洋経済の記事に、

ちょっと考えさせられた。

筆者は江口克彦さん。

松下幸之助氏の側近として23年を過ごした方らしい。

で、同誌で書いた若手ビジネスパーソン向けの連載、

上司と部下の「常識・非常識」が好評だったらしい。

で、書き下ろしたのが、

「50歳からの同調圧力に負けない人生の送り方」。

その第1回が「旧友を捨てる勇気」について。

https://toyokeizai.net/articles/-/221131

そして第2回は「葬儀にノコノコ出掛けてはならない」。

https://toyokeizai.net/articles/-/223580

同調圧力に負けない」との考え方は納得できてしまう。

同窓会や葬儀は一例でしか無く、

表面的な付き合いを必要以上に大切にするなというか、

強迫観念からイヤイヤ参加しても意味が無い。

そんなヒマがあったら、

もっと新しい人たちとの出会いを楽しめ、と。

それはそれで分かってしまうのだ。

松下幸之助さんが偉大な経営者であるのは知っている。

だが、その側近として23年を過ごした方が、

どれほどスゴいのかはボクには知りようもない。

でも、と思う。

きっとこの方には心から信頼できる旧友や、

インテリジェンスや話題を共有できる人があまりおらず、

ほとんど知らない人の葬儀にイヤってほど参列したんだろう、と。

何より、この方は基本的に誰かに頼ること無く生きられるだけの、

精神的、経済的な余裕があり、

今でもその謎めいた肩書で、

常に新しい人達との出会いに恵まれ、

さぞや高い教養とウィットに富んだ会話を楽しまれているのだろう。

ボクは35歳を最後に同窓会には出ていない。

中学を卒業して以来ずっと幹事を務め、

毎年欠かさず開催してきたが、

20年目を契機に幹事も参加もやめた。

かと言って、コアな友だちとの関わりは変わらない。

両手の指で足りるくらいしかいないが、

奴らは「友だち」とかって枠を超えて、

ボクの人生を支える重要人物なので。

葬儀も同様だ。

どなたかに指導されるまでもなく関係性において振る舞いは変わる。

香典や花だけで失礼するケースもあれば、

すべての予定をキャンセルして通夜や告別式のお手伝いをし、

頼まれずとも時間を見つけ、

お墓に線香を供えさせていただくこともある。

この記事に感じる嫌悪は、

新しい視点と価値観を示しているようでありながら、

とても表面的で限定された主張に思えるところ。

だってさ、

同調圧力に負けない人生の送り方」ってタイトルで、

その中身が同窓会とか葬儀への不参加って、

そもそもかなりのミスマッチじゃない?(笑)

浅学非才のボクにはそう思えてならないのだが・・・。