イルガチェフェを飲んだ。
ちょっと久しぶり。
それまではどっしりとした苦みやコクが好みだったが、
10年ほど前にこの豆に出会って視野が広かったように思う。
花のような甘い香りと柑橘系のクリアな酸味と、
モカ特有の甘みと苦味がバランス良く調和している。
そう文字にしてしまうとあまりに平面的だが、
初飲みのひと口目はかなり衝撃的で。
あまりに豊かで異質な香りにフレーバーなのかと思ったほど。
当時はいろんなイルガチェフェを試したが、
初飲み豆の衝撃を超えるものには出会えていない。
それは産地や農園、
品質管理や焙煎の仕方の違いだけではなく、
その年によっても変わるのが当たり前らしく。
「コーヒーは果実。同じ味のものはない」
それを初めて体感したのがイルガチェフェで、
その後もいろんな豆に出逢ってきた。
安定的に供給されるものもあれば、
何年待っても市場に出回らない豆もある。
それはそれでおもしろいのだろうけど、
「あの時のあの味」にできれば再会したいものだ。