観客の声援が競技者に及ぼす影響が如何なるものかは、
想像に難くない。
だが、それであっても、と思わずにいられない。
言うは易し、と知りつつも。
12日のBNPパリバ・オープン女子シングルス2回戦。
大坂なおみは客席からの心ない言葉に涙し、
第1セットを0−6で落とし、
第2セットは粘りを見せたものの4−6。
0−2のストレートで敗れた。
同大会に出場しているナダルは、
試合後の会見でこの件についてコメントした。
「彼女には同情するが、人前に出ている以上、
こういう問題に対抗しなければいけない。
この世界に完璧なことはない。
逆境への準備をする必要があるんだ」
彼の言葉に尽きると思う。
「なおみ、あなたは最低」
観客の1人がそう叫ぶと、
他の客たちが非難の声を上げた。
そして、主審と話す彼女の顔が映し出されると、
多く観客から激励の声が上がった。
悪意を持って汚い言葉を投げかける奴はいる。
でも、大坂なおみというテニスプレーヤーを愛し、
応援している人は世界中にたくさんいる。
その声を力に変えて、勝ってほしかった。