Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

伝え方

博多駅付近の路上で女性が刺殺された事件で、

徐々に関連した情報が流れ始めている。

 

その中で気になるなのが、

「被害者は恋愛のトラブルについて、

 警察へ何度か相談していた」との報道だ。

 

それ自体は事実なので、

報道されることに異論は無いのだが、

それを受取る側がどんな印象を持つかが気になった。

 

恋愛がらみの事件は古くから後を立たず。

以前は、事の顛末波動あれ「痴話げんか」的に扱われてきたが、

1999年の桶川ストーカー殺人事件を契機に、

2000年には対象者の行動を規制できる法案が施行された。

 

事件や事故が起きてから動くのが常であり、

さらには民事不介入を大原則としていた警察にとっては、

凄惨な事件を未然に「防ぐ」というのは、

これまでにない取り組みで。

 

相手が迷惑や恐怖を感じる行為を繰り返した場合、

この法が適用されるが、

その判断はかなり難しいだろうと素人ながらに思う。

 

おぼろげな記憶をたどるが、

日本国憲法において「自由権」は最も基本的な権利であり、

同時に重要視されているはず。

 

それを他者による「迷惑」「恐怖」といった、

極めて抽象的な印象に基づく告発から判断し制限するのだから、

なかなかにハードルが高い。

 

今回の事件が起こる前に、

相談を受けた警察がどう動いたのかは、

かなり注目されると思う。

そして、職質やネズミ取りをするヒマがあったら、

との批判が少なからず起きると思う。

 

加害者には怒りを覚えるし、

亡くなられた被害者やご遺族には同情すらはばかれるし、

警察を無条件に擁護する気はない。

 

ただ、親しい仲であっても関わりが難しい男女関係に、

国家権力が介入するのは、

どう考えても容易じゃないなぁと思うのだ。