赤穂とカシメロの試合を観た。
結果は2R無効試合。
歯切れの悪さはその結果だけでなく、
試合内容にも通じた。
1Rから互いに強いパンチを繰り出す。
だが、ほとんどが単発で、
距離やコンビネーションを見極めるための、
様子見もでもあったように思う。
2R開始直後。
バッティングからの再開で試合が大きく動いた。
まずは赤穂がダウンを奪う。
しかし、強振後にバランスを崩したカシメロにかすった程度。
スリップでもぜんぜんおかしくない、
かなり際どい判定だった。
その後、カシメロが猛攻。
左右上下に強打をまとめ赤穂をロープに追い込む。
だが、赤穂がクリンチへ行き、
両者の距離が詰まったところで、
カシメロの右が赤穂の後頭部をかすめた。
レフェリーがカシメロに注意後、
試合を再開しようとするも赤穂はふらつき、
数分間しゃがみ込んだ。
結局、そのまま試合続行不可能と判断され、
無効試合が発表された。
率直な感想を言えば、
あのまま続ければ赤穂のKO負けだったろう。
赤穂を応援していたボクが観ても、
スピードとパワーとテクニックすべてにおいて、
カシメロが圧倒的に上回っていたのが分かった。
プロボクサーのパンチはただでさえ凶器。
それが世界チャンピオンレベルの、
さらにハードパンチャーとなれば、
かすめただけでも素人の想像を絶する破壊力だろう。
それは分かっていながらスッキリしないのは、
赤穂が立ち上がれなかったのが、
後頭部へのパンチによるダメージではなく、
心が折られたからだと思ったからだ。
なんとも切なくて、残念な試合だった。