京口VS寺地に続いてボクシングの話題。
12月3日、カシメロと赤穂が韓国で対決する 。
赤穂亮とは実に不思議なボクサーだ。
ものすごく端的に言うなら、期待ハズレの人。
20代の頃は世界王者を期待され、
2度挑戦するも失敗し未だ無冠。
その後も日本タイトルは取ったものの、
世界を狙う位置には届かず・・・。
通常であればそのまま忘れられていくのだが、
少なくともボクは赤穂というボクサーを、
たった一度だけしか試合を観ていないにも関わらず、
かなりしっかりと記憶していた。
2012年12月。
0-3の判定負けした試合だ。
終始、王者の動きに翻弄され、
持ち前の強打をすっかり封じ込まれての完敗だった。
それでも、最後まで自らのスタイルを貫く姿と、
挫けない闘志に惹きつけられた。
井上尚弥への挑発や世界戦での減量失敗などで、
日本のボクシングファンにとっては、
「オオカミ少年」的な存在となったカシメロだが、
世界3階級制覇した実績はあなどれない。
どうあがいてもカシメロ有利は揺るがないのだが、
赤穂にもチャンスはある。
カシメロは今回の試合でブランクを埋めるのと同時に、
Sバンタムでも世界王者にふさわしい実力を証明する機会。
つまり、ポイントアウトではなくKOでの快勝を狙うはず。
だが、カシメロは1年4ヶ月も試合から離れており、
しかも階級を上げての初試合。
この数年は試合に望む環境すら整えられない現状も踏まえれば、
早いラウンドでの決着を狙っての打ち合いが予想されるし、
そこにこそ(そこにだけ)、赤穂の勝機がある。
世界王者を期待されながらも、
その座にたどり着けずにいる赤穂。
世界で3階級制覇はしたものの、
自らの失態でその地位を失ったカシメロ。
両者の想いがリング上で複雑に絡み合う様を、
しっかりと見届けたいと思う。