峠を越えた隣町のコンビニで、
CBR600RR乗りの若者ライダーと雑談後、
走り出そうとするとセルが回らない。
グズるとかじゃなく無反応で、
メーターまわりの全ランプが消灯しており、
ヘッドライトもウインカーも点かない状態。
出発する時もセルは若干グズったが、
すぐにエンジンが掛かったし、
その後、峠道で一度バイクを停めた時にも、
すぐにエンジンが掛かった。
ってことは、配線?
もしくは、昨日の三国峠で出会ったXJR1300ライダーが話してくれた、
ジェネレーターの可能性もあるな。
いずれれにせよ、自走できるのかは確認せねば。
ん? 確認?
セルが回らない状態でのエンジン始動確認って、
もしかしてアレですか?
うん。アレだよね。
機械オンチのオレが思いつく限り、
アレの他に方法は無い。
いやいや。待て。
押し掛けなんて20年以上やってねぇぞ!
でも、ここは地元から約60km。
レッカーを呼んでも1時間以上は待つことになるだろう。
最悪はそれでも致し方ないが、
押し掛けを試すだけの価値はある。
ただ、クラッチを繋いだ時に、
エンジンが掛かっても掛からなくても衝撃があり、
それでフラついてコケたら、まさに二次災害。
何より、勢いがつくまでバイクを押してから、
うまくバイクに跨がれる気がしない。
ダメぢゃん、オレ。
ダメダメぢゃん。
押し掛けもできないのかと思うと、
やたら情けなく悔しくなってきた。
よし。やるだけはやってみよう。
まずはコンビニの駐車場から裏の通りまでバイクを押し、
道路が平坦かを確認。
うん。大丈夫そうだ。
次はギアを確認。
1速ではクラッチを繋いだ時の負荷が大きく、
さらにエンジンが掛かった時にギクシャクして、
間違いなくコケるので2速でチャレンジする。
3歩だな。
3歩目で最大出力に達するように押して、
一気にクラッチを繋ごう。
それでダメならレッカーを呼ぶ。
そう決めて、イメージトレーニング。
キーはオンになっているか?
2速に入っているか?
ライディングシューズが滑らないか?
前後に車両や歩行者はいないか?
うん。大丈夫。
顎を引いて前を観て、
静かに深く息を吸い込み、
それを吐くタイミングで一気にバイクを押す。
1、2、3!
おっ! おぉぉぉぉ! 掛かったぁ!
エンストしないようにアクセルを少し開け、
アイドリングが安定したところで、
バイクに跨り、ニュートラルにしてスタンドを掛ける。
あぁ、良かった。ほんとによ良かったぁ。
エンジンが掛かった状態だと、
メーターもライトもウィンカーも正常に動作してる。
となると、配線じゃないってことか・・・?
いやいや。
原因究明と修理はプロに任せて。
まずは無事に地元へ帰らねば(笑)
昼過ぎでいくぶん混んだ峠道を、
いつも以上にのんびりゆっくりと、
エンストに気をつけて走った。
※本日の走行距離は約100km