Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

朱に染まる

会合の後、札幌でお気に入りの蕎麦屋へ。

カウンターの8席のみ。

店主と女将の夫婦が切り盛りする蕎麦屋なのだが、

ご両人いわく「ウチは居酒屋なんです」とのこと。

「久しぶりですね」

「何度も立ち寄っているけど、いつも混んでるから」

「たまたまなんですよ、ホントに」

酒も肴も蕎麦もおいしく、

ボクが通い始めた頃にはすでに人気店で。

でも、その当時から変わらず、おごりや不遜さを感じさせない。

たまたま他の客が引けたタイミングでそう伝えると、

お2人とも苦笑いしながら言った。

「この程度の店でいい気になって調子にのったら、

 あっという間に潰れちゃいますから」

その思いがあってこその繁盛。

しばらくすると、また満席に。

美味しい蕎麦をすすってすぐに席を立つと、

ご夫婦揃って申し訳無さそうにお辞儀をして下さる。

その変わらぬ姿勢がまた客を呼ぶ。

ごちそうさまでした。