「まさか本気で勘違いしてないよな?」
行きつけのクラブのママを交えて、
夕飯を食べてからのショットバーでISMさんが言う。
「してません。大丈夫です。
ただ、今回はママも一緒だよって、
はじめから言ってくれなかったのがナゾですけど」
「だって言ったら来なかったろ?」
「あぁ、確かに。行かなかったかも」
と、ママが食いつく。
「え? なんで、なんで?
私がいたら来ないって、なんで?」
「プロの飲み屋の女性が苦手だから」
ママが嫌いなのではない。
とてもキレイだし、
どんな話題でもごく自然にすくい上げ、
楽しい話題にできる頭脳もお持ちだ。
で、そのスキの無さ、抜け目なさが、
ボクは苦手なのだ。
「コイツね、ダマせない女は苦手なんだよ」
IMSさんが口をはさむ。
「えぇ、そーなんだ。
良い人かと思ってたら悪い人なんですねぇ」
そう言って2人で笑う。
そのバカくささが、ほっんとに苦手なんだよなぁ。