写真:山口裕朗
年内に4団体統一戦に挑むことになりそうだ。
「次戦でSバンタム級4団体を統一したいと思います」
フルトンを破った直後のリング上で井上は、
会場で観戦していたWBA、IBF王者のマーロン・タパレスに、
挑戦状を突きつけた。
タパレスもそれを受けリング・イン。
ベルト2本を携えてにこやかに言った。
「井上尚弥選手とぜひ試合をし、
自分自身がチャンピオンであると証明したい」
以前も書いたが、
ボクシングの軽量級は世界的にはまだまだマイナー。
パウンドフォーパウンド上位をキープし、
世界的な注目度を持つ井上との対戦は、
その中にあって唯一と言えるほどの『宝の山』。
対戦を避ければ「腰抜け」との烙印を押され、
その商品価値は下落の一途。
しかし、対戦さえすれば「勇者」と称され、
桁違いの高額ファイトマネーも手に入る。
ならば、井上がSバンタムにフィットする前のに、
と考えるのは当然だろう。
ファンとしては実に夢が膨らむマッチメイクだが、
それを支える興行的側面においては、
我らがモンスターですらたじろぐほどの、
魑魅魍魎が跳梁跋扈しているようだ。
とまれ、
コロナ禍でバンタム統一に時間を費やしただけに、
Sバンタムでは早めに4団体統一を果たしてほしい。
そして、万全な身体づくりをしながら防衛回数を伸ばし、
転級を狙ってほしい。