
10Rの1分が過ぎた頃、
井上尚弥選手がリング中央でワン・ツーを打ち込む。
後ずさる相手に少し間をおいて、またワン・ツー。
と、ロープまで後退したタパレス選手は、
自らリングに両膝と両拳をつき、
そのまま立ち上がることはなかった。
Sバンタム級2団体の世界王者のその姿を見て、
背筋が寒くなった。
ボクが想像するよりずっとタパレスは巧く、強かった。
前戦のフルトンほど体格もスピードも無いが、
後ろ脚重心で深く構え、
柔らかな上体の動きと両腕を巧みに使ったガードで、
我らがモンスターに対抗。
4Rにはダウンしたもののその後も冷静に闘い続け、
時には打ち合いに応じ、
絶妙なタイミングでカウンターを繰り出していた。
常に主導権を握りながらも、
井上はなかなかクリーンヒットや連打をできず、
判定もあり得ると思いはじめた頃のKOだった。
効かされた素振りを微塵も見せずに耐え続け、
隙あらば勝とうしていたタパレスの心身のタフさと、
それを打ち砕いた井上の底力。
2団体王者同士の対決にふさわしく、
素晴らしい闘いぶりだった。
井上尚弥選手、おめでとうございます!
今回も素晴らしい試合をありがとうございました。