Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

久しぶり

「ちょっと、やだぁ。

 久しぶり過ぎだし、いきなり過ぎじゃない?」

 

TMKは呆れと驚きが混じった声で言った。

 

「そうだね。13年ぶり、か?

 声、変わらないね」

 

「声が変わらないのは君もだよ。

 年賀状は毎年もらってるから、

 生きてるんだろうなぁとは思っていたけど。

 元気なの?」

 

「オレは元気だよ。元気なの?(笑)」

 

TMKは小学校からの幼なじみの女性で、

中学3年の時に同じクラスだった。

 

「TRMTさんが『同窓会はいつだ?』って、

 最近またうるさくて」

 

「なるほど。で、結局、また私たちが?」

 

そう。

TMKとボクは卒業以来、

毎年一度の同窓会の幹事を20年間やった。

 

ボクが北海道に移住したのが35歳の時で、

ちょうど中学卒業20周年だったので、

それを機に幹事を卒業させてもらったが、

それ以降、結局は誰も幹事をせず。

 

担任のだったTRMTさんから催促され、

45歳の時に30周年の学年同窓会を企画。

ボクとTMKで幹事をした。

 

「あの時、君はすごく怒ってて。

 もう2度と幹事はしないって言ってたよね?」

 

「うん。今でもしたくないよ」

 

「あははは。じゃあ、なんで?」

 

「オレらが60歳の時が本番なんだろうけど、

 そろそろ予行練習しとかないと、

 誰も動かないし集まらないだろ?

 その前にTRMTさんが死んじゃったら後悔するし」

 

「またそういうこと言って(笑)」

 

13年ぶりでも以前と変わらぬやり取りに、

すぐに気持ちがほぐれる。

 

この話の続きは後日、また。